葬儀、自然に帰るという選択

日本の葬儀

2018年06月12日 16時23分

日本の葬儀、自然葬の種類

日本で行われている自然葬で主流な方法は、海や山への散骨です。散骨する場合、遺骨を粉砕し、粉末状にしてから撒く必要があります。また、散骨場所と方法に関しては多くの規制があります。また、地方自治体では、自然葬に関する条例を制定していることもありますので、注意する必要があります。
 
変わったところでは、大気圏外へと遺骨を打ち上げる「宇宙葬」や、バルーンから遺骨を巻く「バルーン葬」などがありますが、これらは自然と言えるかどうか難しいところですね。
 
日本の葬儀、粉骨の方法
自然葬を行う場合、必ず遺骨を粉末状にする必要があります。
 
遺骨が自然に帰りやすくするために粉骨するという考え方があるようですが、実際、遺骨を砕かないで撒いてしまうと、不法に遺棄したと捉えられかねないこともあります。
 
通常、機械を使って粉骨しますが、遺骨に刃をあてることを嫌って、別の方法で遺骨を粉末状にしている業者もあるそうです。
 
日本の葬儀、散骨が可能な場所
日本では、未だに散骨が法律的にグレーなこともあり、おおっぴらに散骨ができる場所はあまりありません。ただ、多くの人が散骨を行っていることは間違いありません。
 
散骨が規制されている場所は、特に条例などが定められていない場合もあるので注意が必要です。私有地や公共施設では基本的に散骨はできません。
 
日本では沖合での海洋散骨が人気です。特に許可を得る必要もありません。日本で海洋散骨が禁止されている場所は、熱海市沖合(沿岸10キロ以内)と伊東市沖合(沿岸6海里以内)のみです。海で散骨する場合は、ルールに則り、必ず遺骨を粉末状にします。
 
しかし、他の自然葬同様に、まだまだ日本では墓地に遺骨を埋葬することが一般的です。日本人の多くは、いい意味で無宗教的な生活を普段は送っていますが、葬儀になるとなぜか宗教へのこだわりを持つ人が多く出てくるのです。
 
海での散骨で注意しなければならないのは、「なるべく目立たない」ようにすることです。「周囲への配慮」をして、基本的には、磯や砂浜で散骨するのでは無く、船で沖合に出て散骨します。
 
防波堤などの海に面した陸地は、私有地や自治体の土地の可能性があります。また、人の多い砂浜などでも散骨してはいけません。これは節度の問題です。沖合に出たとしても、漁をしている漁船のとなりで散骨したらトラブルになりかねないですよね?もしも散骨を儀式的に行うことを望むのであれば、専門業者に依頼する以外に方法は無いでしょう。
 
沖合に出て散骨を行う場合は、やはり人目につかないように行うことが大切です。海洋での葬儀を得意としている業者も全国にありますので、興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか?また、全国各地で「合同散骨クルーズ」も実施されています。たとえば東京湾では「横浜ベイブリッジ沖」「ディーズニーシー沖」で散骨する合同クルーズが頻繁に催行されています。希望の散骨海域に見合うクルーズを見つけたら、利用を考えてもいいかもしれません。
 
散骨クルーズ船は通常、公共の桟橋を利用していますので、普段着を着用し、ヒールの低い滑りにくい靴を選ぶようにしましょう。葬儀ではありますが、まわりの人々に配慮し、お酒や花束などを捧げたい場合は、事前に業者に確認しておきましょう。
 
散骨クルーズの場合、「散骨式」が行われます。基本的には献花や黙祷が行われた後、周辺をクルーズしつつ帰港します。通常の葬儀同様、その後に会食の予定があれば、クルージングしながら食事がとれる場合もあります。
 
また、お墓参りではありませんが、散骨した場所を、また訪れるためのクルーズもあります。
 
山では古くから、登山家たちが、遭難死した仲間の遺骨を山に撒く「弔い登山」を行っていました。ただし、山の多くは国有地であり、本来、遺骨を撒くことはできません。
 
山への散骨を希望される人は実は多く、その中でも「ふるさとの山」に帰りたいという声が多くあるようです。しかし、既に触れたように、ほとんどの山には所有者がいます。この所有者の許可を取らなければならないことが、山への散骨はハードルが高いと言われる理由です。
 
「弔い登山」が行われているように、実際には許可を受けずに行われているケースは多く存在するでしょう。山での散骨でも、周囲への配慮が大切です。
 
家の庭
自宅の庭に散骨するという人は意外に多いそうです。ただ、自宅とは言え、そこにお墓を建てることはできません。墓標も建てることはできませんので、ルールに則り、遺骨をパウダー状にして散骨します。将来、自宅の売却を考えているのであれば、後々問題となる可能性があるので、散骨は止めておきましょう。
 
完全合法な散骨場もあるには、あるが…
日本には、完全合法の散骨場があります。島根県にある無人島がその場所になります。ただ、島根県出身の方であれば、この場所に散骨する理由があるというものですが、縁もゆかりも無いとなると、何か「自然葬」の目的から外れてしまうようにも思えます。
 
沖合での散骨が今のところ無難
日本での「自然葬」は、まだまだ自由に行うことができません。人々の理解も進んでいませんし、行政もあまり積極的ではありません。法律上もグレーの状況が続いています。こういう状況下、もっともスムースに事を進められるのは、沖合での散骨でしょう。自分で船をチャーターして行くこともできますし、業者に依頼することも可能です。
 
日本の葬儀・樹木葬
日本で行われている樹木葬は、法律的にグレーゾーンである「散骨」とは異なり、自然環境に遺骨を撒くわけでは無く、墓地内の区画に埋葬する形となります。散骨の場合は墓標がありませんが、日本における樹木葬の場合は、樹木が墓標の代わりになります。
 
樹木葬の特徴
樹木葬では、シンボルとなる木があり、その木の周辺に遺骨が埋められます。墓地によりいろいろなスタイルがあり、樹木と言うよりは、花々に囲まれた庭のようなお墓もあります。
 
樹木葬は通常の埋葬方法よりも安価です。これは単純に、通常のお墓よりも埋葬スペースを広く割く必要が無いからです。
 
樹木葬は、基本的には「ひとり」や「夫婦」といった方達が多く利用されます。この理由に樹木葬が永代供養であることが挙げられるでしょう。永代供養とは、本来は、寺院が数世代にわたる長期間供養を続けることを意味しますが、実際は内規として「10回忌まで」などが定められていることがあります。日本では少子高齢化という現実もあり、永代供養を望む人が増加しています。
 
樹木葬では、墓地内の決まった場所に遺骨を埋葬しますので、自治体への提出書類、手続きといったものは、普通にお墓を建てる場合と全く同じです。